戻 る
プレビュー

年度 2017 開講期 本年度休講 曜日 火曜日 時限 4 単位 2 コード 409
授業科目 言語と社会規範 a
専攻 国際コミュニケーション専攻
プログラム 人の移動と異文化理解プログラム
教員 笠井
目的・概要

 「社会規範」と聞いて一般的に想起されやすいのは、法や習俗などかもしれない。法をはじめとする社会的な諸制度や、それらを裏付ける物理的な暴力もまた、「社会規範」を作り出し維持し続ける重要な要素である。ここで取り上げるのは、そうした広義の社会制度の基底で機能し、それらを産み出し続けている、「権力関係(power relations; ここでいう「権力」とは広義のものであり、例えば政府や「お上」が占有しているものではない点に注意されたい)において産み出され、権力関係を具現化し続ける」言語のあり方と働きである。例えば、「文化の差異」や「性の差異」に関わるステレオタイプの覆し難さと、それが社会規範として働き、実際に人々を動かし(/或いは、人々が動くことを禁じ)ているさまからは、権力関係を具現化し続ける言語の機能を如実に見て取ることができるだろう。
 この授業では、言語学・哲学・文学・社会学・法学等、多くの分野と密接に関連する言語行為論を中心に、こうした問題を考える上で影響力の強い古典的な論考に取り組み、討論することを通じて、一般的に流通しており、従って、我々が無意識のうちに当然のこととして前提しがちな概念や常識が、どのような経緯と過程を経て発明/再編成されたものであるかをも、認識する契機が得られればと考えている。

 受講者は全員、授業前日までに、その週に読む箇所の要約及びコメントを提出し、また、各週一人ずつ、詳しい報告を行い、問題提起役をしていただく。授業以外での学習時間が相当必要となるので、原則として十分な学習時間がとれ、毎回出席できる人のみに聴講を許可する。 

 

計画

 暫定的に、以下のように予定を組んでみたが、授業を行ってみると、年度によって受講者の専門・レベルにかなりばらつきがあり、予定通りに進行させることが必ずしも有意義ではないので、受講者の専門・興味に応じ、文献および進度を変更する可能性がある。
 下記の予定は、「言語が社会規範を作る」側面に焦点を当てているが、例えば、「言語の規範化と社会の規範化」(nation languageの構築、「国語」と方言・マイノリティ言語、等)に関わる問題を扱う、などの方向もありうる。

1.オリエンテーション
2.導入:言語行為論が援用されている分野、研究
3.J.L.Austin, How to Do Things with Words, Harvard University Press.
4.Benvenisteの「修正案」
5.J.Derrida, LIMITED INC, Northwestern University Press.
6.前期のまとめと整理

 

テキスト・参考文献など

第一回授業で配布する参考文献リストを参照。

 

成績評価

毎回提出される要約・コメント、授業中の発言等を含めた授業への貢献度、及び学期末試験(記述式)による。

 

授業での使用言語・その他

日本語